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「はま風 幸せな最期」読売新聞2018/11/11掲載

(以下原文ママ)
治る見込みのない病気になったら、住み慣れた場所で自分が望む最期を迎えたい。苦しいだけの延命治療はいやだ。そう考える人は多い。だが、実際には大半の人が入院したまま亡くなる。誰のための医療なのか。藤沢市で「藤沢在宅クリニック」を開業する医師米田浩基さんが脳神経外科の勤務医から在宅医に転じたのは、そんな疑問からだった。「患者本人の意思が置き去りにされていると思ったのです」患者にとって何が幸せか。それを第一に考える医療への思いを、今年出版した「在宅医の告白『多死社会』のリアル」に込めた。2014年の診療開始以来600人以上を看取った米田さんの、患者や家族との交流がつづられている。患者の一人に、大腸がんで胃ろうを作った80歳の男性がいた。口からものを食べられなくなった失望感は大きかった。米田さんは息子に、残された時間は長くない、したいことをさせてあげては、と提案した。「餅が食べたい」という男子に、特製の薄く伸ばした餅を食べさせた。「ああ、うまい」。男性は満面の笑みを浮かべ、2週間後に亡くなった。「いのちの日数だけにこだわるのではなく、亡くなる瞬間まで自分が納得できる生き方をすることが大事」と訴える米田さんは、時に迷い、不安になる患者や家族に寄り添い、話に耳を傾ける。それこそが在宅医の大切な役割だと考えている。超高齢社会。国は病床削減、在宅医療推進を打ち出す。米田さんのような医師と、患者らを支える仕組みが、今後ますます必要になる。しかし、今のままでは追いつかない。
(横浜支局長 横田博行)